イチから知りたい!論語の本

「イチから知りたい!論語の本」 

 

●徳治政治

国のトップである君主に徳を身につけてもらって、徳によって国を治めること。

 

孔子儒教

孔子の思想】 

孝‥子が親を慈しむ心など、親に対する自然な気持ち

仁‥人に対する思いやりの心。「孝」の内面的表れ

礼‥「孝」や「仁」が外面化された行為。

儒教の思想】

五常

仁‥思いやりの心

義‥私欲に惑わされない正義や正しい道

礼‥「仁」を実践したときの行為やルール

智‥人が修めるべき教養や知識を学ぶこと

信‥信頼や信用など、誠実であること

 

●礼の用は、和を貴しと為す

訳:社会秩序を維持するためには、日常の礼儀作法から様々な儀式を厳格に行うことが重要ですが、厳格に運用しすぎると堅苦しくなるので、和らぐことが大切である

和とは調和のこと。礼と和のバランスが大事。

c.f. 聖徳太子 「17条憲法

第1条 和をもって貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗(むね)とせよ

訳:おたがいの心が和らいで協力することが貴いのであって、むやみに反抗することのないようにせよ。それが根本的態度でなければならぬ。

 

いわく、ひとにしてしんくんば、なるをらざるなり。大車たいしゃげいく、しょうしゃげつくんば、なにもってかこれらんや。

訳:人間に信がなくては、どうにもならない。大車に牛をつなぐながえの横木がなく、小車に馬をつなぐながえの横木がなくては、どうして前進ができよう。人間における信もそのとおりだ。

☆信頼はすべての基本。人間関係の根幹。

 

●子曰わく、人の生くるは直(なお)し。これを罔(し)いて生くるは、幸(さいわい)にして免ぬがるるなり。

訳:人がこの世に生かされているのは真っ直ぐに生きているからだ。もし曲がった人生を送っている者がいても、それはこれまで運が良かっただけだ。

☆「直」とは心がまっすぐなこと。素直、正直。

「正直」が「誠実」を、「誠実」が「徳」をい生む。

c.f. 老子

天網恢恢(てんもうかいかい)、疏(そ)にして漏らさず

意味:隠し事や道徳に背いた行為はいずれ必ず裁かれる。

 

いわく、けんてはひとしからんことをおもい、けんてはうちみずかかえりみるなり

訳:自分より優れた人物を見たら自分も追いつこうと 奮発し つまらぬ人物を見たら自分もそうではないかと 反省することだ。

☆「相手にあって、自分に足りないものは何か」と考えたなら、前進することができる。

●義を見て為ざるは勇無きなり

訳:正しいことが分かっているのに正しいことをしないのは、勇気がないからだ。

☆保身、事なかれ主義になかで正義を貫く

1.正しいことをしたいと思う 2.する

 

ごうぼくとつじんちか

訳:意志が強くて決断力があり、無口で飾りけのない人は、道徳の理想である仁に近い。「剛」は、意志が固く強いさま。「毅」は、気性が強い。決断力がある。「木」は「朴」に同じで、飾り気がない。「訥」は、口べた。

 

巧言こうげんれいしょく、鮮すくなし仁

訳:言葉巧みで、やたら愛想のよい人間は、仁徳がほとんどない。「巧言」は、口先が巧みなこと。「令色」は、こびへつらった顔つき。「鮮」は、ほとんどない。めったにない。

☆誠実さが大事

 

てきく、ばくし。ともす。

訳:必ずこうしようとか、断じてそうしないとか、あらかじめきめこむことなく、ただ道理の正しいところに従う。

☆主観の好き嫌いや決めつけで判断することなく、義に合致しているか、もしくは客観的基準によって判断するべき。

 

いわく、みずかあつくして、うすひとむれば、すなわうらみにとおざかる。

訳:自分を責めることが厳重で、他人を責めることが寛大かんだいであれば、人をも怨うらまず、人からも怨まれないものぞ。

☆自分に甘く他人に厳しい人は大勢いる。自分に厳しく他人に優しい人は、自分を成長させ周りからも信頼され、上手な人付き合いができる。恨みごとから解放されるには、相手を許す心を持つことが必要。

論語の中で「恕(じょ)」という言葉がある。相手を思いやって許すという意味。

 

●人の己を知らざることを患(うれ)えず、人を知らざることを患う

訳:周りが自分を認めてくれないと愚痴を言うのではなく、自分が周りの人の優れたところに気づかないことを嘆くのが先だろう。

☆うわべだけで接していては、決して自分の身にならない。 どんな人なのだろうと興味を持ってみることで相手の意外な一面に気づくことができる。 相手に興味を持って話しかければ自分も認められる。

 

●文質彬彬(ぶんしつひんぴん)

意味:外面の美しさと内面の美しさが調和していること。

☆「文」とは、装飾の意味で、要望や見た目などの外見の美しさ のこと。

「質」とは 実質のことを指し 教養 や態度といった 心の内面の美しさ のこと。

外見が良ければそれでいいという人も中身が良ければ 外見は気にしないという人もどちらも バランスが悪い。

いくら 率直で飾り気のない素朴さを持った人物だとしてもそれが人への例を書いていたり わがままで勝手な振る舞いをするのでは 人として褒められることではない。